フランス語の冠詞:un,une,le,la,les,des,du,de の使い方と使い分け

フランス語では名詞の前に冠詞を書くことは基本です。色々な冠詞があります:定冠詞、不定冠詞、それから部分冠詞などがあります。その為どういう時に定冠詞を使うのか、どういう時に不定冠詞を使うのか、そしてどういう時に部分冠詞を使うのかを理解しておかなければなりません。更にフランス語では名詞には性がいつも付いています。冠詞を使う時に名詞の性(女性名詞か男性名詞)を考慮し、適切なものを選ぶのも重要です。

 

フランス語の名詞の性:どんな意味?

 フランス語の名詞の性の意味を説明する完璧な説はありません。テーブル( table) は女性名詞、ベンチ( banc) は男性名詞、幸せ( bonheur) は男性名詞、平和( paix) は女性名詞、鏡(miroir) は男性名詞などと言われてもこれは何の意味かなと日本人が思うのは当然でしょう。

先ずは自然に性を持った生き物(人間や他の動物)なら一番分かり易いです。男性の人のことを言う名詞は男性名詞になっています。そして女性のことを言う名詞は女性名詞になっています。動物で言えばオスなら男性名詞、メスなら女性名詞になっています。これは誰でもすぐ納得出来ます。

でもフランス語では他の名詞にもちゃんと性が付いています。

例えば:月( lune )は女性名詞です。

    星 ( étoile )は女性名詞です。

   平和 ( paix )は女性名詞です。

月は綺麗で月が見られる夜は自然と明るい気分になります。星も同じく言えます。平和も最高のことです。こういったプラスなイメージを持った言葉に女性名詞だと言われたら、ああこれは女性が自然と持った明るさやプラスな影響力等を意味した言葉だから女性名詞でいいじゃないかと思う訳です。 でもフランス語の女性名詞は全部プラスな意味を持った言葉ではありません。例えば: 戦争( guerre ) は女性名詞です。

              暴力 ( violence )は女性名詞です。

             貧しさ ( pauvreté )は女性名詞です。

その一方で男性名詞にも良い意味を持った言葉とマイナスな意味を持った言葉が両方あります。例えば: 幸せ ( bonheur ) は男性名詞です。

       成功 ( succès )は男性名詞です。

       希望  ( espoir )は男性名詞です。

       失敗 ( échec )は男性名詞です。

       罪 ( crime )は男性名詞です。

       不足 ( manque ) は男性名詞です。

上記の話を全て考慮するとフランス語の名詞の性は男性名詞だからと言って必ず男性のことを意味している及び男性らしさを意味しているとは限らないことが分かります。女性名詞の場合も同じことが言えます。結果的にはフランス語の言語が自然とこういう風に出来あがった言語です。自然に性を持った人間や動物の他に物事を意味している名詞にも性が与えられているのはその言葉の伝統によった結果です。そしてその伝統に従って文法のことを考えた時に各名詞の性をいつも意識することが大切になります。

定冠詞と不定冠詞の使い分け

定冠詞と不定冠詞の使い分けは重要です。あなたがちゃんと使い分け出来ればあなたの話を聞いている相手やあなたが書いた文章を読んでいる人があなたのメッセージを理解しやすくなります。それを間違えると話が分かり難くなってしまいます。

 

●こういう時には定冠詞を使う

 あなたが意味していることは聞いている人が目の前ですぐに確認出来て、また言っているか書いている同時にそれを特定出来る説明を話しているや書いている。

例:

テーブルの上にある携帯を取ってください。

この文では二人が居る中でAさんがBさんにお願いをしています。

AさんとBさんは同じ部屋や空間に居ます。

何かのお願いをされている Bさんは テーブルのことはどんなテーブルかはすぐ分かる訳です。それからその上にある携帯、携帯のことも迷わずに分かる訳です。 こういう時には 定冠詞を使います。

テーブルは table と言います。女性名詞ですので la table と言います。 la は女性名詞の時に使う定冠詞です。

携帯は téléphone portable と言います。 男性名詞ですので le téléphone portable と言います。 le は男性名詞の時に使う定冠詞です。

la と le は単数の時に使う定冠詞です。

複数の時は les を使います。(les は男性名詞の前も女性名詞の前も使えます)

 

他の例:

ドアを閉めてくれない。

(定冠詞を使う場面です:Ferme la porte, s'il te plaît! )

 

今日の映画は面白かった。

(定冠詞を使う場面です:Le film d'aujourd'hui était très intéressant. )

 

2012年12月25日

(定冠詞を使う場面です: le 25 décembre 2012 )

 

こういう時には不定冠詞を使う

例:

新しい携帯を買いました。

(どんな携帯かは誰も分からないです。不定冠詞を使う場面です)

 

本を書きました。

(これだけではまだどんな本かは誰にも何も分かりません。不定冠詞を使う場面です)

 

昨日夢を見た。

(どんな夢かは相手にはまだ何も分かりません。不定冠詞を使います)

 

上記の例を見れば不定冠詞を使う時がイメージ出来ると思います。

不定冠詞は 単数の時は un と une があります。

男性名詞の前に不定冠詞を使う時には un を 使います。

女性名詞の前に不定冠詞を使う時には une を使います。

名詞が複数の時に不定冠詞を使う時は: des になります。(des は un と une の共通複数形です)

 

確認テスト1

定冠詞か不定冠詞かどれがいいですか。

 

 昨日夢を見た。 

 新しい車を買った。

 新しい恋人が出来た。

 あなたが教えてくれた本を買いました。 

 この店の店長はとても明るい方です。

 東京の街はとても綺麗です。

 今何かの音が聞こえた。

 人生は美しいです。

 一緒に見た鞄はとても綺麗ですが高いです。

 あなたが買った時計はかっこいいです。

 

冠詞の l’ について

上記では le, la, un と une, それから le と laの複数形である les または un と une の複数形である des についてお話しました。

こちらでは l についてお話をします。

lamour (愛)

lorange (オレンジ)

lenfance (子供のころ)

linvitation (招待)

lhabitude (癖や習慣)

l’hôtel (ホテル)

 

l という冠詞は le または la がたまに取る形です。どういう時に le と la が l’ の形を取るかというと後から来る名詞が母音字か無音な h という字で始まる名詞である場合です。上記の例を改めてみればそのことが確認出来ます。

Le または la が l’ に変わる場面であるのに、それに気付かずそのまま le または la にしてしまえばそれはフランス語の文法上ではミスになります。

Le と la の共通複数形は les と説明が上記にありました。

L’ は leまたは laを代表している訳ですので、複数形は le と la の複数形である les に戻ります。

 

 

 

確認テスト2:

単語の前に正しい冠詞を le,  la,  lから一つ選んで書いてください。

(この問題で100%正解するには各名詞の性を知ることが重要です。名詞の性が分からない方は先ず各名詞の性を調べてから問題をやってみてください。)

 pomme (リンゴ)

voiture (車)

citron (レモン)

avocat (アボカド)

femme (大人の女性)

homme (大人の男性)

histoire (歴史)

maison ()

intention 意図

miracle (奇跡)

 

 

部分冠詞とは何

 

リンゴなら リンゴ一個、二個、三個など

オレンジなら オレンジ一個、二個、三個など

人なら  一人、二人、三人など

では水なら、 そんなに簡単には数えられません。カップやボトル等の入れ物にすればどうか量が表せますが、リンゴやオレンジみたいにすぐに数えることが出来る名詞ではありません。そいう時に部分冠詞という特別な冠詞を使います。

部分冠詞が使われる名詞の例:

水、ワイン、パン、ミルク、氷、紅茶、コーヒー、ウィスキー等があります。

部分冠詞と言えば du と de la があります。

使い方は: 

du は男性名詞に使われる部分冠詞です。

de la は女性名詞に使われる部分冠詞です。

例:

ワイン→ du vin

パン → du pain

ミルク → du lait

紅茶 → du thé

コーヒー → du café

ウィスキー → du whisky

氷 → de la glace

水 → de leau

 

確認テスト3

正しい冠詞を選んで文を完成してみてください。

 

 Jaime (une, la) mangue.

 Jai acheté (une, la) pomme.

 Il a (un,une,le,la) voiture.

④  Elle regarde (le, la, l) lune.

⑤  Donne-moi (un, une, des) cigarette.

⑥  Dis-moi (une,la, l) vérité.

 Je voudrais acheter ( des, les) habits neufs.

 Jaime ( les, des) oiseaux.

 Il a bu ( un,le,du) vin rouge.

 Jaime boire (un,le,du) café.

 Elle aime beaucoup (le,du) thé.

 Jai reçu (les, des) colis que tu as envoyés.

 Je naime pas (les, des) mensonges.

   Cest (le,la) fin de cet exercice

その他の冠詞

 

冠詞の: au, aux, en, à la , à l'の使い方について

 

先ずは下記の名詞をみましょう。

東京  Tokyo

大阪   Osaka

仙台   Sendai

パリ   Paris

ロンドン   Londres

シカゴ   Chicago

日本   le Japon

フランス  la France

中国   la Chine

アメリカ合衆国   les États-Unis

イタリア   l'Italie

銀行   la banque

郵便局  la poste

   la maison

スーパー   le supermarché

空港   l’aéroport

職場   le service

ホテル  l’hôtel

市場   le marché

 

 

日本語:  東京行きます。

フランス語: Je vais à Tokyo.

à という接続詞を使います。

 

大阪に行きます。 → Je vais à Osaka.

仙台に行きます。 → Je vais à Sendai.

パリに行きます。 → Je vais à Paris.

ロンドンに行きます。→ Je vais à Londres.

シカゴに行きます。 → Je vais à Chicago.

 

Osaka, Sendai, Paris, Londres, Chicagoは都市名です。フランス語では普段から冠詞が付きません。

しかし国名の場合は冠詞がちゃんと付きます。上記では下記の例がありました。

日本  le Japon

フランス  la France

中国  la Chine

アメリカ合衆国  les États-Unis

イタリア  l'Italie

à のルールだけでやれば:  

日本行きます。 → Je vais à le Japon.

フランス行きます。→ Je vais à la France.

中国行きます。→ Je vais à la Chine.

アメリカ合衆国行きます。→ Je vais à les États-Unis.

イタリア行きます。 → Je vais à l' Italie. になります。

しかしフランス語では:  à  + le = au になります。

            à + la = en になります。

             à + les = aux になります。

結果的には:

日本行きます。 → Je vais au Japon.

フランス行きます。→ Je vais en France.

中国行きます。→ Je vais en Chine.

アメリカ合衆国行きます。→ Je vais aux États-Unis.

イタリア行きます。 → Je vais en Italie.

 

 

一般の場所名:

銀行 la banque

銀行に行きます。 → Je vais à la banque.

 

郵便局 la poste

郵便局に行きます。 → Je vais à la poste.

 

la maison

家に帰ります。→ Je vais à la maison.

 

スーパー le supermarché

スーパーに行きます。 → Je vais au supermarché.

 

空港 l’aéroport

空港に行きます。 → Je vais à l’aéroport.

 

職場 le service

職場に行きます。→ Je vais au service.

 

ホテル l’hôtel

ホテルに行きます。 → Je vais à l’ hôtel.

 

市場 le marché

市場に行きます。 → Je vais au marché.

その他の冠詞:最終パーツ

A場所から来ます。

A場所から。。。。。。。。。。。

からの表し方について説明します。場所名によって使う単語が異なります。


ケース1:都市名の場合は

de を使います。

例:

東京から来ます。   

Je viens de Tokyo.


大阪から来ます。

Je viens de Osaka.


ロンドンから来ます。

Je viens de Londres.


パリから来ます。

Je viens de Paris.

 

ケース2: 国名の場合

 de la + 国名(女性名詞の場合)

 de l' + 国名(女性名詞で最初の文字が母音字の場合)

 du + 国名 (男性名詞の場合)

 des + 合衆国

 

例:

フランスから来ます。

Je viens de la France.


ベルギーから来ます。

Je viens de la Belgique.


日本から来ます。

Je reviens du Japon.


カナダから来ます。  

Je reviens du Canada.


アメリカ合衆国から来ます。

Je reviens des États-Unis.

 

ケース3:一般場所名の場合

 de la + 女性名詞

 du + 男性名詞

 de l' + 名詞(名詞の最初の文字が母音字の場合)

           

例:

郵便局から来ます。

Je reviens de la poste.


銀行から来ます。

Je reviens de la banque.


空港から来ます。

Je reviens de l’aéroport.


職場から来ます。 

Je reviens du service.

 

フランス語の国名につく冠詞の例

le Japon  ( 日本)

 

la France (フランス)

 

les États-Unis (アメリカ合衆国)

 

le Bénin (ベナン共和国)

 

la Suisse (スイス)

 

la Chine (中国)

 

la Corée du sud  (韓国) 

 

la Corée du nord (北朝鮮) 

 

le Sénégal (セネガル) 

 

l'Égypte (エジプト)

 

l'Inde (インド)

 

l'Italie (イタリア)

 

le Maroc (モロッコ) 

 

le Nigéria (ナイジェリア)

 

la Turquie (トルコ)

 

l'Allemagne (ドイツ)

 

l'Angleterre (イギリス)

 

le Ghana (ガーナ)

 

l'Espagne (スペイン)

 

l'Afrique du sud (南アフリカ)

 

le Brésil (ブラジル)

 

le Canada(カナダ)

 

le Mali (マリ)

 

la Belgique (ベルギー)

 

le Mexique 

 

la Colombie (コロンビア)

 

la Thaïlande (タイ)

 

l'Australie(オストラリア)

 

la Nouvelle-Zélande (ニュージランド)

 

le Gabon (ガボン)

 

 

 

 

 

フランス語で国籍の言い方の例:

  • le Japon ( 日本)

les Japonais (日本人)

les Japonaises (日本人女性)

 

  • la France (フランス)

 les Français (フランス人)

 les Françaises (フランス人女性)

 

  • les États-Unis (アメリカ合衆国)

 les Américains (アメリカ人)

 les Américaines (アメリカ人女性)

 

  • le Bénin (ベナン共和国)

les Béninois (ベナン人)

les Béninoises (ベナン人女性)

 

  • la Suisse (スイス)

 les Suisses (スイス人)

 les hommes Suisses (スイス人男性)

 les femmes Suisses (スイス人女性)

 

  •   la Chine (中国)

 les Chinois (中国人)

 les Chinoises (中国人女性)

 

  •   la Corée du sud  (韓国)

 les Sud-coréens (韓国人)

 les Sud-coréennes (韓国人女性)

  • la Corée du nord (北朝鮮)

 les Nord-coréens (朝鮮人)

 les Nord-coréennes (北朝鮮の女性)

 

  • le Sénégal (セネガル)

 les Sénégalais (セネガル人)

 les Sénégalaises (セネガル人女性)

 

  • l'Égypte (エジプト)

 les Égyptiens (エジプト人)

 les Égyptiennes (エジプト人女性)

 

  • l'Inde (インド)

 les Indiens (インド人)

 les Indiennes (インド人女性)

 

  • l'Italie (イタリア)

 les Italiens (イタリア人)

 les Italiennes (イタリア人女性)

 

  • le Maroc (モロッコ) 

 les Marocains (モロッコ人)

 les Marocaines (モロッコ人女性)

 

  • le Nigéria (ナイジェリア)

 les Nigérians (ナイジェリア人)

 les Nigérianes (ナイジェリア人女性)

 

  • la Turquie (トルコ)

 les Turcs (トルコ人)

 les femmes Turques (トルコ人女性)

 

  • l'Allemagne (ドイツ)

 les Allemands (ドイツ人)

 les Allemandes  (ドイツ人女性)

 

  • l'Angleterre (イギリス)

 les Anglais (イギリス人)

 les Anglaises (イギリス人女性)

 

  • le Ghana (ガーナ)

 les Ghanéens (ガーナ人)

 les Ghanéennes (ガーナ人女性)

 

  • l'Espagne (スペイン)

 les Espagnols (スペイン人)

 les Espagnoles (スペイン人女性)

 

  • l'Afrique du sud (南アフリカ)

 les Sud-Africains (南アフリカ人)

 les Sud-Africaines (南アフリカ人女性)

 

  • le Brésil (ブラジル)

 les Brésiliens (ブラジル人)

 les Brésiliennes (ブラジル人女性)

 

  • le Canada(カナダ)

 les Canadiens (カナダ人)

 les Canadiennes (カナダ人女性)

 

  • le Mali (マリ)

 

les Maliens (マリ人)

 les Maliennes (マリ人女性)

 

  • la Belgique (ベルギー)

 les Belges (ベルギー人)

 les femmes Belges (ベルギー人女性)

 

  • le Mexique 

 les Mexicains (メクシコ人)

 les Mexicaines (メクシコ人女性)

 

  • la Colombie (コロンビア)

 les Colombiens (コロンビア人)

 les Colombiennes (コロンビア人女性)

 

  • la Thaïlande (タイ)

 les Thaïlandais (タイ人)

 les Thaïlandaises (タイ人女性)

 

  • l'Australie(オストラリア)

 les Australiens (オストラリア人)

 les Australiennes (オストラリア人女性)

 

  • la Nouvelle-Zélande (ニュージランド)

 Les Néo-zélandais ニュージランド人

Les Néo-zélandaises ニュージランドの女性

 

  • le Gabon (ガボン) 

 les Gabonais ガボン人

 les Gabonaises  ガボン人女性 

 

上記に出ている国籍の言い方はその国民全体のことまたはその国の女性たちのことの言い方です。 

 

一人の男性の場合は: un .......... という風に冠詞を変えます。

 一人の女性の場合は: une ........という風に冠詞を変えます。

 例:

un Japonais (一人の日本人男性)

une Japonaise (一人の日本人女性)